算数でスポーツ学ぶ=小6向けドリル製作−東京五輪
算数を通してスポーツに関心を持ち、勉強も好きになればいい−。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が実施競技を題材に小学6年生向けの「算数ドリル」を製作。東京都渋谷区内の公立小学校で副教材として4月から授業で使われている。
問題を解きながら五輪33競技について学べるドリルになっている。「文字と式」の項目には08年北京五輪の陸上男子400メートルリレーで銅メダルを獲得した高平慎士さん、塚原直貴さんが登場。「1964+X=2020」のXを求める式が問題となり、2人が「東京で五輪が行われるのは何年ぶりかな?」と問いかけている。
12日には区立代々木山谷小で実践学習会を開催。教室で東京五輪開会式の日にちを計算で導き出すドリルを行い、校庭では50メートル走で秒速を学習した。生徒たちは5秒8で走った高平さんの速さに驚き、自分たちのタイムから秒速を計算。上位の3人がリレーで高平、塚原組と対戦するなど、楽しみながら算数に取り組んだ。
畑野隼太朗君は「算数は嫌いだけど、好きな五輪と一緒に学べるからちゃんとできそう」と声を弾ませた。算数が好きではなかったという高平さんは「こうやって楽しく学べるならもっと勉強していたかも。五輪、パラリンピックに興味を持つきっかけになってくれれば」と話した。
算数ドリルを企画した組織委の天野春果さんは「算数とスポーツは相性が良い。楽しく問題を解けて、競技のことを自然に分かるような内容にこだわった」と話した。今後は東京全域の小学校などでの幅広い活用を目指し、卓球や水泳など他の競技も絡めた実践学習会を実施したいという。
(2018/04/13-04:01)