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「課題多過ぎ」「格差拡大も」=英語の民間試験活用−大学入試

2020年度から始まる「大学入学共通テスト」では、英語で民間試験が活用されることになった。現行の「読む・聞く」に加え、新たに「書く・話す」技能が正面から試される。入試英語の方法が大きく変わることになり、高校の教育現場では懸念や不安も強い。
 公立屈指の進学校として知られる埼玉県立浦和高校(さいたま市)の杉山剛士校長は「4技能を高めることは重要で、それを評価する方向性は理解できる」と話す。
 一方、民間試験の活用には「課題が多過ぎる」と指摘。出題内容が学習指導要領と必ずしも整合していないほか、大学入試センターが各大学に国際的な語学力基準「CEFR」に基づく段階別成績を提供することの妥当性も疑問が残るという。
 民間試験は高3の4〜12月に2回まで受験可能となる見込みだが、杉山校長は「英語だけ前倒しして教える必要が生じ、学校行事や部活動なども圧迫される」と懸念。共通テストは「当面は民間試験のウエートを低くし、十分に検証しながら軟着陸することが大事だ」と話す。
 各地の英語教諭の間では、地域や家庭の経済状況で格差が生じるとの警戒感が強い。岩手県立高の40代男性教諭は「県内で全ての回を受けられない民間試験もある。全国どこでも受けたい時期に受けられる設定になるのか」と疑問を呈する。
 大分県立高の40代女性教諭は「現状で受験者が多い民間試験の受験料は1回5000円台で、経済的に厳しい家庭の子にどんどん受けるよう勧められる額ではない。どの子も同じ条件で受験できるようにしてほしい」と訴える。
 奈良県内の公立高の30代男性教諭は「会話教育を充実させるには少人数クラスも考えなければならないが、現状の英語教員数では到底足りない」と嘆き、「自治体や学校が必要な教員数や予算の具体的な検討に入れるよう、国は早くテストの詳細を決めてほしい」と注文した。

(2017/07/10-16:03)

  

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