2017年6月22日更新
教育法規あらかると 第58回
議員立法はいかに制定されるか-番外編-
恒例により、新春第1号は番外編としよう。
国会が制定する法律には、内閣が提出する法律と国会議員が提案する法律がある。内閣が提出する法案は「閣法」、衆議院議員が提出する法案は「衆法」、参議院議員が提出する法案は「参法」と呼ばれる。憲法と参法が議員立法である。
学校教育に関する法律は、そのほとんどが閣法だが、子どもの育成に関する法律には、議員立法がかなりある。例えば、昨年末に制定された義務教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)や、3年前に制定されたいじめ防止対策推進法は議員立法だ。
この他にも、子どもの貧困対策の推進に関する法律、発達障害者支援法、児童虐待の防止等に関する法律、子どもの読書活動の推進に関する法律などさまざまな議員立法がある。1997年に田中真紀子議員(当時)の提案によって、小中学校の教員免許状の取得要件に介護体験(7日間)を義務付ける教育職員免許法の特例法が制定されたが、これは教育関係者に評判が良くなかった。
では、議員立法はどのような手順で制定されるのか。以下に、その概略を見てみよう。